弁栄上人がとある寺で布教されたとき、一人の求道者が、上人に初めて謁見しお説法を聴聞しました。そのとき、上人のお腹の調子がよくなく
上人は「ブゥーッ」とおならをされた。ところが、そのことを気にもとめず平然とご説法をすすめられました。
その後、ある夫人がお茶菓子を持参して上人のお部屋にきて、
「お上人様もあんまりお人が悪るうございますよ、あの方は今回が始めてでございましたのに、あんな大きなおならをなさるなんて」と。
上人それを聞くなりすぐに「はあ、そうでしたか、何もそんな私が捨てたものを拾わずとも、他に拾うものは沢山ありましたのに」と申されました。
(『ミオヤの光 縮刷版第2巻』146頁参照)