弁栄上人は不思議な特技を持っていました。その一つは細字をよく書かれるということで、ゴマ粒や米粒に『般若心経』1巻を書き入れられたりされました。
米一粒に「南無阿弥陀仏」とお名号を書く場合などは極めて速かったとのこと。説教を聴きに集まる方、またご縁の方に、御守りとしてこれを分かち時々筆をとられました。この時には5、6人のものが上人の書かれる米粒を小紙片に包むお手伝いをされましたが、その5、6人の方が一生懸命とりかかっても間に合わない程のスピードでした。(「掌燈苦行僧弁栄上人譚」『探検世界 第6巻第5号』74頁参照)