今を生きる方への引導

善光寺(千葉県にある弁栄上人建立の寺)落慶の後は、弁栄上人は布教伝道のため不在が多かった。
そんなあるとき、檀家の中で亡くなられた方がいました。他所にいる弁栄上人はそれを伝え聞き、一緒にお寺に帰られました。そして、亡くなられた方の身内が引導をお願いすると、上人は丁寧に「南無阿弥陀仏」とお十念を称えられました。その直後「私はこれから東京へ、生き方の引導に行きますので」と言って、またお出かけになられました。
弁栄上人はどこまでも、生きた方への教化(引導)を第一に考えられていました。

(『ミオヤの光 縮刷版第2巻』186頁参照)