百回忌趣意書 -広がりと深まりと温もりの実践を-

2018/11/29
ご挨拶

二〇一九年は山崎弁栄上人の百回忌の年に正当します 明治 大正の激動する時代に 法然上人のお念仏の道を現代に生かし また西洋思想 科学やキリスト教の真理をも意柔軟に受容しながら 阿弥陀如来様の光明の生活がもたらす喜びを伝道されました しかしながら 大正九年 伝道先の越後柏崎において「如来は…いつもましますけれども…衆生は知らない…それを知らせに来たのが…弁栄である」と告げられ 如来様のお浄土へ迎えられました
その山崎弁栄上人のご遺志を受け継ぎ また慈恩に報いていく百回忌記念慈業趣意と その慈業内容を 弁栄上人が滞在された御寺院さまや縁のある皆さまにお伝えし ご協力とご賛助を賜りたく 御案内申し上げます
この百回忌慈業は 組織の垣根を越えて 光明会 眞生同盟 為先会 光明学園 などの団体及び 弁栄上人を慕う多くの方が集い 協働しながら慈業を展開して参ります なにとぞこの慈業趣意へのご理解とご協力を頂き 慈業完遂へのご賛助を賜りますようお願い申し上げます

 

百回忌趣意書

弁栄上人の御遺稿の中に「将来百年に向かって突進せよ」と「百年」というキーワードが多々見られ 百年後より この光明の教えが広く伝わっていくことを示唆してしているように読み取ることができます その弁栄上人百回忌という勝縁の時に臨むにあたって そのご遺志を受け継ぎ 慈恩に報いていく為 弁栄上人の顕彰を通して 念仏策励(深まり)と念仏弘通(広がり)とを 和合の中(温もり)に 共々に励まし合い 慈業を「突進」して参りたいと存じます
弁栄上人は その時代の人を導く為に 現代的にお念仏のみ教えを説かれました 往生浄土の教えを真に体得確信するためには 平生の生活において お念仏の生活に親しみ 現世から如来さまに育まれていく「光明の生活」を強調されました それは「いけらば念仏の功つもり」との法然上人のおおせと相通ずることであり その「功」がどのようにつもっていくかを分かりやすく説かれたのでした それゆえに あたかも光線がプリズムを照射して 色々な美しい光を発するように 上人の説く教えは 賛否をも含めて多様に受けとめられることもありました しかし 直接 上人にお目にかかり その光明に包まれた温かなお人柄やみ教えに触れ 現代のお釈迦さま 法然上人の再来だと喜び 法友になっていき お念仏の縁が種子播かれて 時代と人心とが相応する信心の輪が おのずから形成されていきました そのような上人の円満なお人柄をお手本としながら 「如来は…いつもましますけれども…衆生は知らない…それを知らせ」るというご遺志を しっかりと受け継いで参りたいと存じます
あらゆる宗教宗派が 対話と共鳴をしつつある現代において 弁栄上人は 百年も前より 修行法や思想は異なるとも その対話と共鳴が可能なことをお示し下さっています その温かな上人の和合の心と そのご遺志を受け継ぎ 実践していく決意を「慈業」の文字に込めさせて頂きました
したがいまして 百回忌慈業趣意は 平生と別時の念仏策励をもって信仰を深めていく慈業と さまざまな方法をもって弁栄上人のみこころを広めていく慈業に分け それを怨親平等に 恭敬の心をもって 温かな和合の中に勤めて参ります    合掌再拝

平成二十九年九月吉日  山崎弁栄上人讃仰会   代表 金田 隆栄