竹の動きの綺麗さ

松戸市五香、善光寺(弁栄上人開山のお寺)本堂建立中、僅かに残された一軒のあばら家に弁栄上人は居住なされていました。その初秋のある明け方、激しい風が吹き、あばら家が倒壊しかけていました。その時、弁栄上人と一緒に宿泊していたある方は、速やかに屋外に避難されることを上人に勧められました。
上人は「ハァ」とばかり落ち着いた様子だったので、その方は自身の後に従って上人に出ていただき、一緒に近くの軒下に避難しました。そこで前方の竹藪の竹影がきびしく吹きつけられつつある様子を見て、弁栄上人はその方におっしゃいました。
「なんと竹の動くさまは奇麗ですねぇー」と。

(『ミオヤの光 縮刷版第2巻』303頁参照)