遠い活字

弁栄上人「明日は何時の汽車で出発しようか? 何時何分の汽車と何時何分の汽車がある」
といわれるので、
付き人が「上人は時刻表をお持ちですか」といえば、

上人「いや持たないが、むこうに張ってある新聞に書いてある。少し古くてもそう違ってはいまい」

その新聞は12~14メートル離れたむこうの壁に貼られているものでありました。

(『日本の光』182頁 参照)