〈現代語訳〉三昧の境地は永遠なる悟りの境地であり、また絶対的静寂なる境地である。
〈解説〉出典は善導大師『往生礼讃』である。弁栄上人の書簡に「三昧無為即涅槃とは善導大師の讃文である。さすが極楽の道の先達である善導大師はこの真理を悟り教示してくださっている。三昧というのは念仏三昧のこと。一心に阿弥陀如来を念じて我を離れたときは我は阿弥陀如来となる。もし念仏三昧の境地を体得すれば、絶対なる阿弥陀如来となり、宇宙全体すべては阿弥陀如来であると悟るのである。これを三昧の境地という。阿弥陀如来の外のものは一切ないことを悟れば阿弥陀如来は涅槃界の主であることを悟る。」(『たより』上巻18頁)とある。念仏三昧の実践をすればすべてが阿弥陀如来であるとの三昧の境地に至る。その三昧の修行へと誘引している書である。